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EvoJapan2024:Rulesのコントローラーの項目って何なの?+格ゲー大会のコントローラーを巡る話2024年版

EvoJAPAN2024のRules欄にあるコントローラーの項目で「どういうこと?」ってなりそうなので解説を書いた

用語解説

「SOCD(クリーナー)」 左右、上下の反対方向入力が同時入力されること。歴史的経緯があって「コントローラーに積んだプログラムでそれを処理しよう」というのが当たり前になっており(処理する機能が"クリーナー")、これ系の話題はほぼこれをどう扱うのか?が主題になる。

「gafrobox=ウメハラのアレ」 2019年にウメハラが使用したものは上記のSOCD処理が「後から押したほうが優先」という処理をしていた。純正HITBOXは「同時に押すとN」。なおゲームであるSFVの処理(SOCDを処理せずに同時入力を送信した場合)は「キャラの前方向」だった。

 

あと画像の「2020年に出た」というのは記憶違いで2019年に開発中だとして出され 

その後2020は中止、そして復活することになるEvo2022開催にあたりルール欄にそのまま掲載され、今にいたる。個人解釈でも書いたがこれが厳密に運用されたり議論になっているところはほとんど見たことがなく、かつメーカーの公式ルールとも若干食い違うので運用としては「これを理念ベースとしつつメーカー・個別の大会ルールが優先される」という感じになっている…と自分は感じている。

 

 

今まで書いたもの

2019年5月までの話(この記事は"ウメハラのアレ"が割と話題になっていたため書いた)

格ゲーにおけるHitBoxなどのコントローラーを巡る話 - setofuumiのblog

2019年5月北米ComboBreakerで起こった「ウメハラのヒットボックス禁止」とそれによるカプコンCPTルール改正に関して1年後にアレコレ書いたもの(ほぼ雑感)

なぜウメハラのヒットボックスはCPT精神で禁止されたのか - setofuumiのblog

 

現行のカプコンCPTルール https://sf.esports.capcom.com/cpt/rules/

要約:移動4アクション11以内。同じ入力を複数設置することの禁止。反対同時入力(SOCD)は同時の維持or拒否(維持すればゲームに従った処理、拒否すればN入力)

GBVS_cygamescupはこれに近い「同一複数設置の禁止」「反対は維持or拒否」。

他メーカーでは同時周りのはっきりとした記述はなし(鉄拳は移動+攻撃入力の禁止はある)。

 

以下2024年の現在思っていること

まずもって大前提となるのは格ゲーの大会のほとんどというのは大会主催者が開催するものであってメーカーが主催するものではない(メーカー主催のものもあるが、そうではないものを「メーカー認定大会」としてきた経緯がある)。さらにだれでも参加できるオープン大会がそのほとんどであり、コントローラーは各自持参するものでありそれを基本的に許容する。その中に例えば音ゲーコンなどの変わったものや自作の何かを無理矢理コントローラーにしたものや体の障害を補うためのコントローラーが含まれており文化となっている。

この前提があってそのうえで「公平性の議論」があり、それは別にメーカーだけのものではない(2019以前のFullscheduleコンを巡る話は「プレイヤー」と「大会主催者」と「それを取り巻くFGC全体の意見」であれこれ議論されいろいろなことが決まった)。
2019年にいろいろあったカプコンCPTルールでもそういった前提にはきちんと触れられている。
またここのところだと

という視点もあり(2019年はこういう視点はマジで少なかった)、これもだんだん前提になってきたなと感じる。

 

現行の「禁止」はCPTルール(とそれに近いGBVS)におけるもろもろと上述のEvoルールの2つになっているが、Evoルールのほうは包括的にしようとするあまり「同時入力の維持」そのものを否定しておりこれはちょっと枠がデカすぎるのではないかと思う(同時入力自体は今こうやって文字を打つのに使っているキーボードでできる)。そもそもEvoルールが出たのが2019でいわゆる前の体制だったので色々変わった今は何らかのアップデートがされてもいいのでは?と感じている。

あと前提で書いたが大会はその大会を運営する人がその裁量でやることが大部分であってそこでカバーされていることがたくさんあるし、それもまた参加全員とのコミュニケーションであろうと思う。「メーカー公認大会」でもその大会の裁量でやっている部分はたくさんあるだろうし、2018DBFZ日本大会におけるKoreanWrestlingManへのコントローラー使用禁止→それを受けての公式ルール改正で使用可能に、という事例などメーカー側に伝わることもある。

おわり