setofuumiのblog

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CPT2017プレイバック Part.6「いぶき・ラシード」

あるいは「I hate ibuki」

 

「最強キャラ」「Top(God)Tier」はいつの世も議論が尽きないものだが、今年はこの2キャラを巡る話題が多かった。
日米の違いとしては「日本はいぶきの評価が高くアメリカは低い」というのがあって、それも話題になる要因だった気がする。

 

関係する人を羅列

「Xian」
開幕戦FinalRoundで見事優勝でS2いぶきをお披露目(S1も使ってはいた)

「GamerBee」
前半戦でやたらといぶきと当たり敗退。ついに「hate」してしまう
https://twitter.com/GamerBeeTW/status/876448554151235584
https://twitter.com/GamerBeeTW/status/881432486718316544
「OilKing/石油王」
今年はGamerBeeとともにZowieに所属。欧州も含めて遠征しまくり結果を出した。
欧州プレミアDreamHackSummer http://vsbase.net/sfv/tournaments/id/139/
日本プレミアJapanCup http://vsbase.net/sfv/tournaments/id/169/
で日本いぶき(ゆかどん・あくあ)に敗退。
https://twitter.com/LeevyLin/status/896328867077476352
GamerBeeにならって「hate」する石油王であった。

「ゆかどん」
S2いぶきにて前述の欧州プレミア優勝。初タイトルを獲得。S1は後半戦の結果が思わしくなかったが、今シーズンはなんと後半戦でアジア・北米のプレミアで連勝。万全の仕上がりを見せた。(総合1821Pは世界4位)
上述の「hate」の対象はだいたいこの人である。

「あくあ」
JapanCupでW側最終日抜けを果たす(W4)。またTopangaチャレンジカップ優勝でLCQ直前予選へと遠征。国内代表として「日本のTopTier」を証明しにいく。結果としては4位に。

「ももち・GO1」
どちらもS1からのCPT常連だが中盤戦まではいぶきピックが多かった。
結果は出たり出なかったりで、後半はももちはケン、GO1はメナトになっていった(併用はしていた)。

「Punk・JB(JonB)」

Punk's Street Fighter 5 Season 2 tier list has Rashid above the rest of the cast

リンクはpunkがTier表を発言した時の記事。
ここでpunkがラシードを一番上に置いたことでなんだかんだと話題に。ちなみによく一緒にいる友人のJBがラシード使いで、地元対戦会では彼がもっともpunkを苦しめているからではないか、という見方が多かった(実際に大会で勝利したこともあるが、トータルではもちろんpunkが勝っている模様)

「もけ、ガチくん、石油王」

いわゆる「アジアのラシード」が今年は大活躍、というかアジア地域に遠征しまくりで毎回上位進出していた。石油王はシーズン当初からだったが日本勢2人は後半戦からCC圏内まで稼ぎ、ポイントレース激化の要因となった。

「マゴ・packz」

2人のS1からの強豪かりん使いがなんと同時期にラシードのサブ運用を開始。マッチアップ的に有利なバーディ用としてかなり成功していた。

CPT2017プレイバック Part.5「東海岸・NY・NextLevelBattleCircuit」

あるいは「idomという男」

 

まず「NextLevel」の説明からすると、ニューヨークのブルックリン地区にあるいわゆるゲーミングスペースのこと。そこで毎週行われる対戦会(SFVだけではない)が「NextLevelBattleCircuit」、つまりNLBCである。配信は海外大会配信でおなじみのTeamSpookyが行っている。
西のWNF(アレおじAlexValleのところ)と双璧を成す北米FGC2代巨頭である。

SFVがS1からS2に変わり、このNLBCがどうなったのかというと…

NY・NLBC1月からのTop3
1.Smug 2.Idom 3.Sabin
1.Idom 2.Smug 3.Dieminion
1.Idom 2.Alucard 3.Smug
1.Dieminion 2.Shine 3.JonB
1.Smug 2.Danslip 3.JonB

 (↑リプライツリーも参照)

 

S2は強いであろうと予測されていたSmugバイソンを上回る結果を出していたidomララはストモン勢からの注目を集めた。*1
…のだが、「NYの外に出ない」という事情があるらしく、idomが大会に出ることは当分先の話になるのだった。

2月のWinterBrawl11(東側の大会、非CPT)には不参加(punk優勝)
https://www.eventhubs.com/news/2017/feb/17/winter-brawl-11-live-stream-ft-sonicfox-chrisg-snake-eyez-rayray-scar-punk-smug-bass-anti-coach-steve-lordknight-flash-mrkwiggle-and-more/

通常の大会ではないが、2月の「The King of NewYork」なる長期戦イベントには出場
https://www.eventhubs.com/news/2017/feb/25/king-new-york-2017-live-stream-ft-smug-punk-alucard-li-joe-shine-idom-menard-and-more/
ここもpunkが全勝だったのだが、Smugをおさえてidomが2位。


そして5月、NLBC
http://nextlevel.challonge.com/ja/nlbcv65sfv
当時プレミア2連勝、Eリーグでも活躍中のpunkが「NLBC」に参戦(punkは厳密にはNY勢ではなくお隣の州の人である)
結果はpunkの優勝。この後、punkはちょくちょくNLBCに遊びに来るようになる。


7月、EVO。いまだにNLBCで勝ち続けていたidomはギリギリになってEVO行きを決定。「ついにNYを出た」と話題に。結果はというと…
https://smash.gg/tournament/evo-2017/events/street-fighter-v/brackets/140155/395821
smashGGがバグっててSmugになっているが、これ実は「MenaRD」に負けている。
本当のSmugはこっち
https://smash.gg/tournament/evo-2017/events/street-fighter-v/brackets/88428/395688
あとLosers負けはこっちも表記が揺れるのだが欧州のLinkexeroだと思われる


やはり大型大会は厳しいのか、となったその半月後…
7月 Defend the North 2017
http://kakuge-checker.com/topic/view/05241/
NYのCPT大会でEVOでも圧倒的な強さを見せたpunkを「6-0」で下し優勝。ついにidomが世界に発見されることになる。
ちなみにこの大会のeventhubsハイライト記事のトップ画像はこれ

https://media.eventhubs.com/images/2017/07/30-ricki-ortiz-denies-rashids-v-trigger-while-kami-denies-time-over_v217qPz.jpg

その後、idomは東側のCPT、9月のEastCoastThrowdownにも参加。これにはネモ、ジョン竹内(←間違い。ジョンはこの週はプエルトリコ。終了後合流。)が遠征で参加、日本アルカプ勢も遠征、punk-ネモのエキシビションなど内容盛りだくさんであった。
http://kakuge-checker.com/topic/view/05290/
https://www.eventhubs.com/news/2017/sep/01/east-coast-throwdown-2017-live-stream-ft-sonicfox-punk-dragon-snake-eyez-anakin-chrisg-whiteboi-tekkenmaster-k-brad-biohazard-and-more/


idomはこの2大会と8月東側CPT、SummerJam(3位)、10月東側オンラインに参加(優勝)。北米ランキング2位となり、北米決勝の切符を手にする。
10月のオンライン優勝で確定する前から出場はありえたため「北米決勝で優勝、CC一発切符を手にするのでは」と予測をされていたが、最後のポイント変動大会になるカナダカップでなんと日本のsakoがポイント下限プレイヤーに決定。「idomかsakoか」という状況になってしまった*2
結果としてはその予測通りGFがpunk-idomとなったがpunkが勝利。一発切符の夢は消え、CC_LCQ(直前予選)に出ることもなかった(会場は西側)。


このidomにsmugらNLBC勢、そして周辺のpunk,nuckleduを含めた「東海岸勢」は今年1年の北米大会の中心におり、S1の西側のケンTrinityが目立っていた状況が一変したといえる。S3は果たして東の年になるのか、西の年になるのか。そして新たなidomが誕生するのか、見守っていきたい。

*1:ちなみにJonB,Danslip,Shineといった面子もここで既に結果が出ている

*2:厳密にはidom以外にもチャンスはあったが下馬評的に

CapcomCup-LCQ,MvCI石大会直前ミーティング

www.youtube.com

 

開幕5分は調整です

 

以下メモ

スケジュール
8日 現地11:00-21:00 SFV-LCQ、MvCIスタート→LFまで
+17 28-38 日本時間土曜4時-14時 
9日 日本日曜4時-14時 CC本戦Top8まで
10日 日本月曜7時-13時 Top8決勝

 

LCQ詳細

A1
ネモ
-
Stupendousザンギ WNF勢上位Masザンギ
Mira=Tatsukoいぶき シカゴ上位

B7
Pnoyベガ WNF最上位
Windalfrアレク・エド Dia↑
sawasama(JP)
-
ISDDガイル(エド是空) 欧州上位
PR070Type アレク UD?

A8
F.Champダルシム
Adonai_Novaキャミイ DR勢・SD
Kubisaララ UK勢Dia↑
-
TrashBox(JP)
Flaquitoいぶき・かりんSD

B1
DoomSnakeバルログ パナマ勢 中米最上位
Tensaiベガ 地域Top8あり
ChrisDat豪鬼リュウ UPla
SherryJenixネカリD↑
-
VelociraptorネカリUD 剛拳
Jochy豪鬼ユリアン) ドミニカ?勢 上位勢並
稲葉ユリアン
TheTimeDictatorベガSpla↑

A4
インフィル
KylePララ 地域上位UDia
ranmasamaラシード 地域上位 2016JapanCアメリカ最上位
n0thingmanダルシム(ザンギ)UP
-
NoRepectユリアン地域上位Mas
ShinTいぶきMas2P持ち
ArliethバルログUD 11P持ち

B5
NyChrisGガイルいぶきユリアン
PhantomMiriaコーリンD
SaliouユリアンWNFTop8
ElitheCurryララMas
-
MoiseララMas南米上位
AfiiララUD↑欧州上位
Nillzo(JP)キャミイ

A5
XsKsamurai豪鬼
NickTanellaネカリWNF上位
ChrisNguyen豪鬼 WNF中位 EVO電波に勝利
-
Shacz欧州UK19歳多キャラ使いララキャミイ
Sunao(JP)かりん

B4
C.JesseダルシムMas WNF最上位
JonesArcadeケンMas欧州UK強豪
MVPforeverユリアンSPlaドイツ勢
AzTrelyxリュウ?UPla
-
K-Brad
BlvdparadiseバイソンSD

A2
MOV
ItachisLegacyいぶきD?
PerfectLegendユリアン
-
PRrog
YaNoobユリアンD
KingBirdieバーディ地域上位

B6
DRRayいぶきバルログ ドミニカ上位
ElcubanoLocoバルログUSA3大バルログ
Glltyメナトダルシム
-
あくあいぶき
BushinStyleラシードMas(是空)元ガイ使いWNF上位
LeviathanケンD豪鬼? ハワイ勢

A7
AlexMyersキャミイCPT上位
Fruitエド(ララ)UAE最上位
DG-ALザンギ, KhangarooかりんSD 1P持ち
-
Dieminionエドイルファン
Shadokenナッシュ NorCal勢
Zafキャミイ16P持ち 北米LCQでダイミニに勝ち
ファミ通豊泉

B2
JBラシード
DankadillasダルシムユリアンMas WNF上位
Shivryukenララ欧州UK強豪21歳 *配信中触れたやたら笑うコメンタリーは「SoryuSengan」の間違い
-
ストーム久保
ラプチー(カナダカップ主催)
Pavocadeミカ NorCal最上位hadocon優勝
iPeru ラシード・ララ

A3
Brian_Fバイソン
Nacerキャミイ?ジャスティン家にいる
SOJO(JP)
-
MONOファン プエルトリコのボス
Terrence春Mas地域上位
Mo-JoeミカMasふーどぷんこ倒す

B8
GamerBee
-
[デスプール勝者]
CrescentMoonバイソンD 5P持ち
JoeShyneいぶき強め
brenttiscoolケン・バイソン ケン三銃士
SalpacinoミカNorCalTop8

A6
Cabaガイル ドミニカ最上位
Ritsuka(JP?)
-
TheCoolKid93アビゲイル・ラシード
96cafe(JP)
JohnRogバイソン(WCW運営)D 5P持ち
GamerHarryバルログ?D WNF-Top8

B3
LPNベガなど
Enderユリアン 5P持ち
-
シャオハイ
AlexisPintoケンSD-UD WNF上位
にゃんし(JP)ネカリ

 

Top32組み合わせ、予想

A1(ネモ(JP),Stu,Tatsuko)
B7(Pnoy,sawasama(JP),ISDD)
A8(F.Champ,TrashBox(JP))
B1(DoomSnake,Jochy,稲葉(JP))

A4(インフィル,他Master多数)
B5(ChrisG,ララ軍団,Nillzo(JP))
A5(XsKSamurai,Shacz,Sunao(JP))
B4(C.Jesse,JonesArcade,K-Brad)

 

A2(MOV,PRrog)
B6(DRRay,あくあ,BushinStyle)
A7(AlexMyers,Fruit,Dieminon,豊泉)
B2(JB,Shivryuken,ストーム久保)

A3(Brian_F,MONO,SOJO(JP),MoJoe)
B8(GamerBee,Brenttiscool,デスプール)
A6(Caba,TheCoolKid93,96Cafe)
B3(LPN,シャオハイ,AlexisPinto,にゃんし)

 

予想:上下のブロックで3人ピックアップ

白水
ネモ XsKsamurai インフィル
シャオハイ ゲマビ MOV

瀬戸
ネモ Pnoy DoomSnake
MOV JB Caba

 

MvCI石大会

Viscant 古株 MvC3EVOチャンプ
SackTap SoCalスペース石:トナメ位置交換
アルカプ勢。多キャラ、レアキャラ勢

Moise 南米オン石無し
チリ勢南米代表。スト5ララ
Stealth 北米オン石無し
テキサス勢 アルカプ勢

ChrisG EVOチャンプ枠
Teemo カナダカップマインド石 相手のキャラ,石選択できる
無名だったがアルカプ3強のいるカナダカップ優勝

KaneBlueRiver EVOチャンプ枠デカキャラチーム
Cloud805 RBPG、パワー石 FirstAttack確定
アルカプ勢(ストモン勢)

RyanLV 昨年EVOチャンプ 春モリフェニ
かずのこ SEAM タイム石 無効化できる

Jwong EVOチャンプ枠
BrianKasugano 南米オフ大会リアリティ石 ボタン設定をいじれる
ブラジル勢 アルカプ勢リュウ豪鬼春。

F.Champ EVOチャンプ枠
Alioune 欧州オン大会 石無し
アリューン先生

Flocker EVOチャンプ枠
RichardNguyen 欧州オフ大会 ソウル石1回負けをなかったことにできる
アルカプ勢? SFVも

CPT2017プレイバック Part.4「Canada・ChicagoのFGC」

あるいは「北米FGC戦国時代」

北米事情的には西海岸カリフォルニア、東海岸ニューヨークが強い地域とされ、どうしてもその対決に注目されがちな状況があったが、近年は他の地域もFGCとしての存在感を増している。

 

「Toryuken VI」
http://vsbase.net/sfv/tournaments/id/130/
5月に開催されたカナダ・トロントでの大会。USA勢プロプレイヤーも多数参戦。この大会でカナダ勢が活躍。Top4こそ遠征USA勢に独占されてしまうものの、Ricki,Jwong,F.Champ,SnakeEyesから勝利、5位タイの2人はどちらもカナダ勢という結果になった。
ちなみにカナダの中心都市トロントは西にいけばシカゴ、東にいけばニューヨークでどちらも800kmくらい。日本でいうなら東京、九州、北海道くらいの距離関係である。
この後も一年通して(良く知られるカナダカップだけではなく)カナダでのイベントは多く開催され、ビッグタイトルは取れないもののカナダ勢はトッププレイヤーと互角に戦い存在感を示すことになる。またMvCではMarvelPCGOD=QuackBotがEVOのUMvC3で大活躍、TeemoがカナダカップMvCIで並みいる北米強豪を倒して優勝している。


「ComboBreaker」
http://vsbase.net/sfv/tournaments/id/133/
5月翌週に行われたシカゴでの大会。近年の成功によりプレミア大会に格上げされた。ComboBreakerはメイン種目の大型大会としては勿論、スカルガールズのコミュニティあげての大会参加や、イベント会場全体への工夫などから非常に評価が高まっている。シカゴ地域で根付いてきた「ミステリートーナメント」のような特殊ルールによるイベントも人気が高い。

Combo Breaker:成功の秘訣

この大会で活躍したのが、このシーズンからシカゴへと移住してきたBrian_Fである(それまではフロリダ勢)。Brian_FはS1の時期から高ランクバイソンとして認知されていたようで、Twitch,YoutubeTwitterでの活動も盛んだったらしい。
シーズン開幕戦のFinalRoundのプールでももちと接戦を演じたのち、地元シカゴでの対戦会でも優勝。そして次のプレミアDreamHackAustinではSmugとの同キャラに勝利

(埋め込みうまくいってないかも。時間指定は6:03)

youtu.be


その見た目、立ち振る舞いも非常にクールで人気獲得。強豪と認識されつつあったが、この地元ComboBreakerで4位入賞。ついにブレイクした格好となった。

そしてシカゴ勢でもう一人あげなければいけないのがTheCoolKid93である。CoolKidはS1のころからシカゴ上位のプレイヤーで、S1のシカゴ対戦会ランバトでは1位を獲得。決勝大会に出場している(当時はアレク・ラシード)。
S2でもラシードを使い地域上位であり、6月のランバトではそれまで無敗だったBrian_Fを倒して優勝。この年から「地域対抗3on」となった地域ランバト・RedbullProvingGroundのシカゴ代表となる。
https://smash.gg/tournament/red-bull-proving-grounds-2017-season-1-finals/details
https://www.twitch.tv/videos/154169476
https://www.twitch.tv/videos/154411636
CoolKidといえば「やたら大声で応援する奥さん」が有名だが、それが初めて目立ったのがこの大会である。CoolkidはここでチームメイトのBrianFを越える活躍を見せるが、残念ながらシカゴチームは決勝に残れなかった。
CoolKidはその後、EVOに「Wong-nation」つまりJwongの支援を受けて出場したり、秋季シカゴランバトでアビゲイルをメインで使って3回全部優勝したり、秋季ProvingGround決勝でもシカゴ代表として活躍したりしていた。
秋季決勝アーカイブより、SoCalの有名人BushinStyleとのラシードミラーで大騒ぎする一幕

www.twitch.tv
そしてCoolkid(とその奥さん)が「RedbullBattleGround」で大ブレイクしたのは皆さんご承知の通りである。

シカゴ・中西部地域はここ数年で一気にFGCとしての地位を確立した感があり、また紹介したSFVだけでなくMvCでもJoeyD、DualKevin(UMvC3EVO上位、MvCIでも活躍中)といったトッププレイヤーを生んでいる。
来年以降の北米FGC勢力地図が一体どうなっていくのか、まったくわからない。

CPT2017プレイバック Part.3 「EU Ranking」

あるいは「欧州の悲哀」

去年はTop32に6名(CC出場は5名)を輩出した欧州だが、今年は3名にとどまった。(BigBirdを欧州勢カウントするなら4名)
2016年度は「全体におけるランキング大会のポイント比率が高い」「欧州4強(Luffy,Phenom,CCL,M-Crimson)が常に上位独占」*1という要因があり、今年はそれが大きく崩れることになった。大会結果を振り返りながら見ていきたい。

「Fight Club NRW 8」
http://vsbase.net/sfv/tournaments/id/147/
8月にドイツで行われたランキング大会。

https://capcomprotour.com/wp-content/uploads/2017/08/fight-club-nrw-2017-2.jpg/


欧州のそこまで大きくない大会にウメハラが遠征する(ゲスト招待扱いでやってくる)のは毎年恒例なのでいいとして、この回はあの男がいた。「Everywhere」ことJiewaである。
これまでCPTTop8はないが、直前のEVOで豪鬼を使用、13位と好結果が出ていたJiewaは、欧州勢本命の一人であるPackzにDoubleJeopardy*2を食らわせて2位を獲得。ちなみにJiewaの今年のTop4以上の成績はこの回のみである。
その不憫な結果(強豪でTop8回数は多いがTop3回数が異常に低い)から一部で人気のPackzはまたもや優勝できず。その後も特に変わらず500P前後でシーズンを終えてしまう。Packzどうして…。

 

「VSFighting 7」
http://vsbase.net/sfv/tournaments/id/151/
8月にイングランドで行われたランキング大会。ほぼ欧州オールスターである。
ここになぜかXianが参加、優勝してしまう。ちなみにXianは前週にはオーストリア・ウィーンでのInjustice2欧州公式大会に出場している(アメリカ勢も多数遠征して優勝はSonicFox、Xianは13位)。この時Xianはすでに900Pは持っていたので、はっきりいって「ついで」としか思えない。

https://capcomprotour.com/wp-content/uploads/2017/08/vsfighting-7-2.jpg/


Xianだけが笑顔。ずらりと揃った欧州勢の「なんでお前がいるんだよ…」感がにじみ出る写真になっている。(Capcom公式の写真である)


とはいえ、アジア勢にある程度ポイントを奪われるのは去年も同様。プレミアはもちろん、2016年はMOV3勝、ウメハラXianが1勝でなんとランキング5勝分を奪っている。それでも2016年は欧州勢が上位に来たのだから、いかに「ランキング大会の比率」が高かったのかがうかがえる。

そして、欧州勢の不遇にはもう一つ要因がある。今年から地域で4回開催されたオンラインランキング大会である。

https://pbs.twimg.com/media/C-T5NC2W0AMbFLE.jpg


これはAcekingofsuitさんの投稿した画像。東西で分けたんですね、と思うかもしれないがこれ実は「FGC主要国は全部西側」という区分け。北欧の強豪がいるノルウェースウェーデンまでも西側。飛び地もあるし謎が多すぎる(多くの国があるところだしそれなりの事情があるのかもしれないが…)。
結局、この「欧州・東側オンライン」はロシア、フィンランド勢くらいしか参加せず、ロシア勢が2大会分のポイントを獲得することになる*3

このような要因が積み重なった結果、今年の欧州勢は遠征勢にも勝つことができたTop3のみのCC出場。4番手以降のM.Crimson、Packzといった面子はポイントを積むことができずシーズンを終えた。ルールとはいえ不憫な話である。


最後に明るい話題として、皆さんご存知のProblemXの躍進を書いておこう。
Celtic Throwdown 2017」
http://vsbase.net/sfv/tournaments/id/161/
9月にアイルランドで行われたランキング大会。
https://smash.gg/tournament/celtic-throwdown-2017/events/ct2017-sfv-singles-1/brackets/139136

それまでProblemXは「Phenom,Luffyに続く3番手グループ」の一団にいた。前半戦はS1で多かったアレクを捨ててザンギを多用してみたりしていたがその位置は変わらなかった。(EVO手前くらいからベガに固定していたようである)
そのProblemXがTop8でLuffyに2-3で敗北するも、Akainuを3-2、M.Crimsonを3-2、Phenomを3-1、Luffyを3-0リセット、3-2で優勝、という驚異の粘りで優勝をもぎ取った。
この優勝後、翌週のランキングでも優勝、プレミアEGXもアジア勢の遠征を跳ね返してプレミア優勝(S1のPhenom以来の快挙)、さらに欧州決勝でも優勝と、9月に4連続優勝とし、わずか一月で「欧州最強」の座に就くことになる。
過酷なルールのもとCC出場する3人の活躍に期待したい。

*1:EU内は比較的遠征しやすい、というのもあっただろう

*2:2度裁く=ダブエリで2回とも敗北させること

*3:ちなみにロシア勢のRASSがそのポイントで欧州決勝に出場。彼は去年はカナダ在住で、そこでMasterまでやっているプレイヤー

CPT2017プレイバック Part.2 「The Colosseum」

あるいは「時をかけるボンちゃん」

「The Colosseum」
詳細はvsbaseさんにて(アーカイブはちょっとよくわからない
http://vsbase.net/sfv/tournaments/id/126/

5月にイタリアで行われた欧州CPT。
結果は遠征したボンちゃんのSFVにおけるCPT初優勝となった大会。この後ボンちゃんはCPT3週連続優勝という偉業を成し遂げることになる。

 

配信崩壊
配信トラブルはこの業界につきもの。映像が中断したならばラジオ実況をし、配線がうまくいかなければトークで1時間以上もたせる…など挙げればきりがない。その中でもこの大会は特筆すべき崩壊具合だった。
ちなみに2016年度の3傑はこれ

 

予選
予選は欧州特有のグループリーグ方式だった模様。この時点で配信は飛び飛び。平均7人のプールから3人が脱落するだけ、という半ば対戦会のような予選だったため、明日にはなんとかなるだろう、ということでこの日は終わった。

決勝
Top32からの決勝。配信状況は全く変わっていなかった(うつっても飛び飛び)。プレイヤーはもちろん遠征の配信スタッフも恐らくいたとは思うのだが、どうにもならなかった模様。回線そのものが限界だったのだろう。途中で配信チャンネルを変えるなどして対処しようとしていた。

 

この時、配信が崩壊しているのでボンちゃんの現地Twitter投稿(もしくは参加者のTwitterが自動投稿される格ゲーチェッカーチャット)が頼りであったが

 リプライ:「配信でまだ戦ってます」

 
運営の対処がどういうものだったかよくわからないのだが、とにかく配信を見ている側には10分以上のタイムラグがある状態だったという。

これを受けて視聴者は「ボンちゃんは未来にいる」「俺たちにはついていけない」「タイムパラドックスが起こっている」等々好き勝手にリアクションを取っていた。

そしてとうとう運営が「修復不可能。録画を後日あげる」というアナウンスをするに至る。これを受けてボンちゃんも

 と発言。配信そのものはこれまでの状態のまま続き、超絶タイムラグ配信+ボンちゃんTwitterを視聴者は見続けることになったのであった。

 

そして…

 GFはUAEのBigBird。配信も遅れて始まり、固唾を飲んで見守る中


ボンちゃん「優勝しました!」
とネタバレの報告が。これをもろに受けた格ゲーチャット(格ゲーチャットでは即時に自動更新される)の面々は笑いながら配信中のナッシュが勝利するところを見届けるのであった…。

全てが終わった後の報告

CPT2017プレイバック Part.1 「West Coast Warzone 6」

「WestCoastWarzone6」

West Coast Warzone 6 results feat. Punk, Snake Eyez, Justin Wong, NYChrisG, Marn

WestCoastWarzone(WCW)はCCと同じカリフォルニア州アナハイムでの大会。西海岸のいわゆるSoCal地域である。
北米的には開幕プレミアであるFinalRoundが終わり、Eリーグという大規模長期イベントが進行中、そして次のプレミアNCRを控えた状況で行われた。

 

「NoRespect事件」

W side

www.twitch.tv


プールのWinners側。NorCal勢であるNoRespectユリアンに対しナッシュを使用したpunk。ここでなんと2-0でNoRespectが勝利。派手に喜んだあと握手はしたもののそれを投げ捨てるような動作までして大騒ぎになる。

L side

www.twitch.tv


結局プールLFでまた当たる2人。punkがユリアンを使用して「これならキャラ差ないだろ?」というように勝利→NoRespectが当てこすりっぽくナッシュを使用してそのままpunk勝利。ここでpunkはキャラでは屈伸、本人は首切りアクションを取るなどお行儀のよくないアピールを存分にしてしまう。なお終了後NoRespectはニコニコして去っていった。まあ1回勝てた時点で勝ちということであろう。

「West Coast Free」
そんなこんなで最終日を迎えたWCWだが、結局punkはそこからルーザーズラン9連勝で優勝。これがpunkのCPT初優勝となった。開幕のFR、その直後のSXSWイベントでは優勝できなかったpunkだが、この後は連勝街道をひた走ることになる。

そして優勝後のインタビュー。

www.twitch.tv


大会主催のJohnRogからの質問に一通り答えた後「何か一言ある?」と振られ「West Coast Free」と発言して大会を〆るpunkであった。(ちなみにこの時おもな東海岸勢はpunkだけ。自分はこれくらいしか理解できなかったが英語わかる人はもうちょっと面白く拾えると思う)