setofuumiのblog

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トーナメントのDQに関するあれこれ

もくじ

 




発端

 EVOオン_NA_GGSTのDQ1342/2262(59%)だったという話
ここからトーナメントのDQに関することを書きたかったのだが、いくぶんネガティブな話題だし、加えてあまりにも前提知識が多いのでそこから解説する



前提知識

・意味
DisQualify ようするに「失格」。トーナメントツール表示においては試合をせずに失格にしましたよ、ということ

DQの内容が何なのかはわからない
現行のトーナメントツール上「どんな理由」でもDQDQなのでそれがどんな理由であるかは見た目上わからない。
事前に申告した欠席でも、寝坊による不在でも、本当にダメな即失格ルール違反をしてもDQDQ
とはいえ、ほとんどの場合は「欠席」ではある。

DQ表示をしない場合もある
報告・更新の簡略化のためにDQ表示をせず、勝敗結果(チェックマーク)のみ、あるいはスコアを入れちゃって2-0(FT2の場合)表記で更新することもある。この場合それが試合結果なのかDQなのかはわからない。
これまでのsmashgg上でのEVOはこの形式。また直近Tonamelで行われたGGST公式大会GGDOも同様(2-0で更新)。

・「DQが多い」理由も色々ある
注目度、チェックイン方式、エントリー料などなど「要因」はたくさんあるので「DQが多かったのでこの大会はナントカ」というのは一概には言えない。


以下DQにまつわるできごとや思うことなど

 

他の大会はどうなの?


EVOオン_GGSTは59%だった。スタンダードな大規模大会ではこれはぶっちぎりの数字なのは間違いないのだが、他のDQが目立った大会もざっと数えてみた(手作業)

北米のGGST
44% GGST_CLG(北米の発売直後の単発イベント)
北米のSFV
49% SFV_EVOオン_NA東
29% SFV_CPT_NA東
EvoJP2020(*日本オフ開催。プール多すぎるので1/8だけ調査)
39% SSBU_EvoJP2020
27% SFV_EvoJP2020
*例外:ESLチェックイン式でインドを含んでた回*1
70% Evo_WarmUp_TK7_Asia

30~40%はまあまああるので、オンオフ・ゲーム・国を問わず多い時は多い。ただこれらすべてエントリー料がない、というのはあるかも。
あとは過去のEVO、特に注目度の高い初年度の種目(SFV5000とかDBFZ3000とか)はぜったいに多いはずだが、これはDQ更新せずに勝敗チェックのみなので実数は不明ということになる。



大量に発生するとどうなる?


一番大きいのは「トーナメントのバランスが崩れる」ということ。
今年のCPT北米東の極端な例

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DQの例

https://smash.gg/tournament/capcom-pro-tour-2021-north-america-east-1/event/street-fighter-v-champion-edition/brackets/929107/1482204
この回は約30%のDQ率だったのだが、なんと上側7人、下側1人。ここまで偏るとダブエリとはいえトーナメントとしてどうなの?となってしまう。
ちなみにこれはDQの問題というか「エントリーが集まったらまずbracketを出す」という大会の慣例によるもので、特に北米大型では「同地域遠征者同士の1回戦を回避するためフィードバックを受け付ける」というプレイヤー配慮からくる慣例でもある。まあオンラインではその配慮の必要ないんじゃない?ともいえる。


偏りを解決しているESL


この点だとESL運営サイトは「エントリー→当日開催時刻にチェックイン→チェックインした人だけで即時bracket作成」という手順になるため、不在者多数による偏りは起きない。(*一応他サイトでも同形式にできるっぽいが大規模大会ではあまり用いられてきていない)
ESLの過去大会一覧 https://play.eslgaming.com/japan/cups
ESLのこのサイト自体は大昔からあったのだが近年PS4 Tournament」システムとの連携がされて格ゲージャンルでも目立ってきた方式で、さらにsonyが参入したEVOオンのWarm Upとサイドトーナメントはこれで行われた。あとsfvのintel大会もこれ。
これ自体は単純に良い事のように見えるが、bracketが事前にわからない、シードを採用する場合可能なのか不明、試合時間よりはやい時間帯にDQが決まってしまう、あとここが一番重要だがそもそも一般公開されていない、という面はある。
また今回のEVOオンでは偏りはないもののトラブルがいくつか起きており、このシステムへの不慣れさ・言語をふくむディスコミュニケーションに加えて「PS4T機能との連携」そのものの扱いがまだうまくいかない時もあるのだな、といった感じがした。
PS4TとESLとの連携は一般公開されておらずブラックボックスだし、「PS4T機能でそうなったこと」とプレイヤーの申告が食い違った場合の裁定はメチャクチャ難しいと思う。

 

DQが増える要因


・オンラインオフライン・エントリー料・日程
これまでの北米大型はオフライン・事前エントリー有料・会場と日程が数か月前から発表、という流れだったのでDQが抑えられていた面がある。それら3つがすべて変わった今のオンライン時代になり、DQ問題が表面化してきたと言える(なお北米でもオンラインはエントリー無料がスタンダードであり以前からDQは多かった)

・チェックイン方式
これは大会運営・使用サイトにより色々だが、大会開始時間の一斉チェックイン(いわゆる「点呼」)の段階で不在ならその時点で欠席DQにしてしまうやり方がある。欠席者がDQになるまでの待ち時間が減りトーナメント進行はスムーズになる反面、「試合の時間に間に合えばいいはず(はやいタイミングでDQにすべきではない)」という意見もあったりする。


・運営ミスやディスコミュニケーション
これは「その場にいる・試合をする意思がある」状態でDQになってしまうので問題視されがち。というか問題視されて話題になるのはだいたいこれ。
なにごとも人間がやることなので、手違い・見落とし・コミュニケーション失敗によるDQというのはどうしても発生するし、大会運営形式、言語の問題でそれが発生しやすいことはある。



”いるのにDQ”についてあれこれ


・運営とのコミュニケーション手段・形式の不一致問題
ほとんどの問題はここに集約されると思う。
特にオンラインでどのツールを使うか、どこに報告するのか、どういう形式で要望を投げればいいのか、さらには言語がどれなのか、といった認識がズレると起こりがち。これはサイト・ツール等が大会ごとに異なり統一するのもなかなか難しいのでみんなが努力するしかないのだろう。


・「トップページ読まれない」問題
サイトの概要欄や案内に書いてあることが読まれずに「説明されていない」とされるケース。割と見たことがある。読まれてほしい。逆にルールページの奥深くに書いてあることは普通読まないよ、というのもある。


Twitter最優先問題
何らかの食い違いが起きたときに「運営・相手とのコミュニケーションを飛ばしてまずTwitterに書く」というやつ。トップページ問題と複合して起こることもある。
これは国・言語問わず、さらにトーナメント進行だけでなく大会そのものの感想や注文などについてもかなり発生するらしく、運営あるあるとして語られることが多い。だいたいの運営はTwitterに書く前に直接相談してほしいとのこと。


・そもそも欠席判定をどうすればいいのか?という問題
"いるのにDQ"は無いほう良い…とする場合、可能な限り待った方がよい。だいたいの大会は基本この姿勢で運営されていると感じる(初心者・言語の問題・オフなら遠征者への配慮などなど)。
とはいえ無限には待てないし、トーナメント形式の待ち時間というのは「それ以降すべての参加者の待ち時間」になってしまう(ダブエリだとなおさら)ので、どこかでは切らなくてはならない。
これはどちらもプレイヤーにかかる話なので、定型句の「プレイヤーファースト」の観点から見てもどっちもどっちということになる。
チェックイン方式や点呼でこれを円滑にしようという試みはあるが、銀の弾丸はないといったところ。

 

以下余談

 

余談1
「エントリー数」は「エントリー数」
これはこのように書いて良いかかなり微妙な部分だが、「エントリー数」はそれはそれで数字として大会の実績になる部分はある。現在のトーナメントサイト(ESL式以外)はエントリー数しか出ないし、メディア・記事などが「参加者数」を書く場合も普通はそこを参照するだろう。
DQがあったとしてもその大部分はエントリーした瞬間は出るつもりだったのであろうし、Evoなどの北米大型大会が大規模化・一大イベントになったのもそれくらいの「大イベントへのカジュアルなエントリー」があればこそ、という面もある。
また日本の小規模大会運営の人が「ギリギリ直前駆け込みエントリーよりも確率50%でも事前エントリーしてもらった方がいい」と主張するのはたびたび目にするものではある(これはそれだけ「エントリーが集まらない」ことが運営の人の心理的負担になる、という意味)。


余談2
不正大喜利DOJOシステム
余談1はいうならば「あっていいDQ」だが、「悪いDQ」も可能性としては存在する。

 こういう感じ。(Dojoシステム=鉄拳において、smashgg上のどんな大会でも人数規模によって公認大会ポイントを割り振るよ、という試み。)
極論すれば1人+捨てアカウント95ですべてDQ(もっといえば運営がDQ更新をせず2-0処理)した場合それは「公認96+大会」になってポイント取得できるのか?という。
まあこれは「そのようなことが発覚したのなら厳正に対処する」でいいと思うし*2、そもそもDOJOシステムがメーカー公認と大会運営との信頼関係において行われているものなので…という話ではある。

*1:ちなみにインドはパキスタンに負けず劣らず鉄拳が盛んでグローバルな実績もある国。あとESLインド支部がちゃんとあって活動している、ということでエントリーが多かった模様。

*2:格ゲーtwitter空間名物であるところの「不正ができる!大喜利」のだいたいはそれで解決すると思う