「ドミニカ勢とは?」
CC2017はドミニカ勢MenaRDの優勝で幕を閉じた。
後追いになってしまうがMenaRDをはじめとするドミニカ勢がSFVにおいてどういう存在だったのかを振り返ってみたい。
ちなみに地理的な話をすると、アメリカ東海岸の南に突き出たところがフロリダ州(CEOをやるところ)、その近くの島がキューバ、その隣の島がドミニカ(とハイチ)、そのまた隣にあるのがプエルトリコ。
2016年
プエルトリコ『FIRST ATTACK 2016』スト5CPT北米ランキング大会結果
恐らく「ドミニカ勢」がはっきりと認識されたのはこの大会だろう。会場はお隣のプエルトリコ。日本視点では「竹内ジョンが優勝した大会」。ここに隣のドミニカからも遠征にきており、かなり活躍した(今見て気付いたが、2017LCQで活躍した豪鬼のJochyも入賞している)。ジョンと同じく遠征したGO1発言がある。なおこの「リュウのひと」はCaba
ドミニカ人の人達かなり強い。
— CYCLOPS | GO1 (@GO13151) 2016年9月4日
今回ウィナーズで残ってるリュウの人とDR DRYバルログはドミニカ人。
DRYバルログは反応がかなり早くて、リュウの人は択のかけ方と上が凄い出るって印象。
世界は広くて色んな人と対戦出来て楽しいです。
この大会のあと、ドミニカでもCPT扱いの大会が開催。
RANKING EVENT: Fighting Fest 2016 Results - SP|Crossover wins! | Capcom Pro Tour
この大会にはJiewa,Dieminion,SnakeEyes,Flashといった面々が遠征。ところが結果はドミニカ勢の1,2フィニッシュとなった。なおこのとき2位になったのがMenaRD。他のドミニカ勢ももちろん入賞している。ちなみにこの大会、自分も見ていたが配信がトラブルで不可能になったので最終的にスマホの直取り(Facebookアプリ)で配信していた。いい思い出である。*1
そして2016終盤、前述のプエルトリコで活躍した「DRRay」が南米決勝でKbradを破って優勝、そしてCCでときどに勝利することになる。
そして12月は第0回で紹介したNECがあって
CPT2017プレイバック Part.0 「punk」 - setofuumiのblog
この大会、MenaRDがKbrad,Smug,Jwong,NuckleDu,Punkリセット,あと日本のBas(D44)さんに勝ってのルーザーズラン準優勝という信じられないデビューを飾っていたり、そもそもWFまで行ったのがDRのcabaだったり
ということになる。
2017年
・MenaRD前半
S2になりCPTも開幕。MenaRDは精力的にプレミア遠征し
3月、FR 25位(かずのこに勝利)
5月、CB 13位(Marn,Verloren,ももちに勝利)
6月、CEO 9位(ウメハラに勝利)
と強豪を倒して結果を残す。このことによって6月末に「RISE」のスポンサードを獲得。ここはMarnとSmugが所属するチームである。
サブキャラのララでウメハラを屈伸して倒すシーン。CCでもこの結果が再現されてしまった。
・「RedbullProvingGround」
いわゆる北米地域ランバトが3月から開幕で、この年からオンラインを開催。これにドミニカ勢が参加して活躍。3月MenaRD優勝、4月CrossOverRD優勝、ほかにも同じドミニカ勢のLilo24k入賞ありで、トータル結果も1位CrossOverRD、2位MenaRDということになり、2016ドミニカCPTと同様に1,2フィニッシュを決めた。なお理由は不明だがどちらも決勝大会には不参加。
そしてEVO後の秋季シーズンも同様にドミニカ勢が活躍。ここはまだ結果が見れる(跡で消えるかも?)
DRRay,Caba,Jochyが上位。MenaRDも一度上位になっている。そして今度はDRRay,Cabaの2人が代表として決勝大会に出場(cabaは2位のvagabond不参加のため権利繰り下げ)し、アメリカ勢のNephewコーリンの活躍もあり見事優勝することになる。
後日談1・Nephewコーリンはその後CanadaCupで9位の好成績をおさめることになる
後日談2・この決勝大会の賞品は「RedbullBattleGround=北米決勝(の直前予選)に招待」というものだったが、ドミニカ勢はリージョンロックで参加不可能…ということでこの2人には「CapcomCup(直前予選)への招待」が贈られたのだとか。
・EVO
EVOはドミニカ勢は不発だった。ちなみに北米最強ララで後半で注目されたidomがふるわなかったのは2次プールでMenaRDに2回当たって2回負けたせい。
・MenaRD後半
9月初週、FirstAttack。今年も開催された(なお2016は北米扱い、2017はラテン扱い)
この大会は本当に良いイベントで、ウル4のころからにぎやかで楽し気である。2017はチャンピオンとして竹内ジョンが招待され、北米からはSmug,LPNが参加。西海岸のアレおじ率いるLevelUpがバックアップし、コメンタリーで有名なウルチェンコンビも招かれて参加。主催のPRmonoの人徳によるものであろう。
プエルトリコ「First Attack 2017」『スト5』カプコンプロツアー中南米地区ランキング大会 結果
なんと結果はドミニカ勢が1,2,3独占。優勝はCaba。MenaRDはCabaに勝てないことが多いらしい。
優勝の様子。例の「ドミニカの応援」も最高潮に達している。帽子はプエルトリコ名物で毎年配るらしい?
そして表彰後、主催のmonoが「優勝者のCabaは俺と勝負な!」*2といって急きょエキシビションが始まり(22分ごろ)、これがまた名勝負となり大団円を迎えるのであった…。
その後もMenaRDは北米大会に参加。
9月、BrooklynBeatdown2 4位(ハイタニ、ネモに勝利、Jwongエド、ふーどに負け)
9月、SoCalRegionals 4位(ハイタニ、punk、XsKSamurai、Verlorenに勝利、Smug,NLに負け)
どちらもトップ層を倒しての4位。特にアジア勢に対しての結果がかなり良く、怖い存在となっていた(今そう言うと後出しなのでかっこ悪いけど)。
ちなみにSoCalでPunkに勝ったのだが
試合間にちょっかいをかけられるのにキレていたのか、思わず首切りポーズをしてしまうMenaRD
・ラテン決勝
開催前に南米トップのBrolynho、中米トップのMenaRDが不参加を表明。これは様々な都合で賞金が出ないのと、ほかのプレイヤーにチャンスを与える、という要因が組み合わさってのものらしい。
上述のCaba、Monoらが出場したがこれを優勝したのは南米ブラジルのDidimoKOF。彼もまたCCで活躍することになる。
・CC_LCQ(直前予選)
今年から開催となる直前予選。これにMenaRD以外のドミニカ勢も参加。Caba,DRRayもいたが、ここで活躍したのがJochy豪鬼で、日本から遠征の稲葉ユリアンを倒し、そして結果的に優勝の寝もユリアンもあと一歩まで追い詰めた。
そしてここでも「ドミニカの応援」は絶好調
稲葉ユリアンに勝利したところ
ネモユリアンに惜敗したところ
この試合はラウンド取ったところで客席カットインしたりしていた。
・CC
本戦内容については様々な人が書いているだろうから省略するが、優勝した瞬間ドミニカ勢が壇上に登ってきて勝利を喜ぶシーンは本当に感動的だった。
また、配信ラストでのダイジェストに「客席で喜ぶCABA」を抜いたスタッフは非常に有能だった(そのダイジェスト的にネモに勝利した場面と思われる)*3
ドミニカ勢の躍進は大会を見ている側としては強く感じていたことではあるが、それがCCという舞台で最高の結果として現れたのは驚くほかない。そしてそれは、MenaRDだけが強かったわけではなくドミニカのコミュニティ全体がレベルアップしていった結果だと感じる(MenaRDが本戦で倒したいぶき、ガイル、豪鬼はドミニカの強豪たちと一致する)。
彼らが「ドミニカ勢」として認識されていく来年以降がどうなるかはわからないが、彼らは賑やかにプレイし続けるだろう。それが来年以降も配信で見て楽しめることを期待している。おめでとう。ドミニカ勢。