setofuumiのblog

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CPTプレイバック2018 part2「北米の停滞と成長」

「停滞」
今年のNA=北米勢は結果だけからすると苦しんだ1年だったように思う。
大規模な調整、異例の4月での3.0→3.5変更もあり、期待のPunkは低調、S2で活躍したがNerfを受けたキャラのプレイヤーはそれを覆せず、といった状況が続いた。NuckleDuはキャミイを手駒に加え安定した成績なもののプレミア優勝はなし、Neon,Samurai,CoolkidといったプレイヤーがTop8には入ったがそこまで、といった格好であった。*1
メナトが馴染んだJwongが後半はプレミア優勝、ChrisT・Punkの活躍はあった、そして最後の最後でCJTruthが一発切符をもぎ取ったが、同時にChrisTが圏外行き(これにより圏外1位だったToiが落選)でCC出場はプラマイゼロの5名、ということになった(過去最低人数)

北米事情にもこれには要因があり、北米の有名大型プレミアでの「グローバルな上位フルメンバー化」が年々増加していること、そして広いアメリカ全土にすべて遠征できるプレイヤーは限られる、ということ。たびたび主張しているが、いわゆる「アメリカ東西全て遠征できるフルタイムのプロ格闘ゲーマー」は北米ではそれほど成立しておらず、前述したNeon,Samurai,Coolkidらは(地元コミュニティ・チーム的なものに所属していたりはするが)そうではないただの地方勢である。EchoFoxに続く大型チーム、あるいは新興のチームの参入が期待されたが、大きな変化は起こらなかったと言える。とはいえ一部地方勢へのUYUサポート、テキサスGGEA、終盤にPunkが入ったTeamReciprocity、チームでないがRapchiとJwongの始めたESEのサポート、といった小規模なものはいくつかある。*2
また、ベテランでフルタイムでやれているRicki、ChrisG、K-BradあるいはSnakeEyes、PRBalrogといった面々が出場・結果ともにもうひとつだったのもある(瞬間最大的にさすがの強さを発揮することもあったのだが…)。

 

「成長」
プロ化・プロ勢の停滞とは反対に地域ローカルでのコミュニティ、イベントは順調に拡大しており、Redbull_Conquest(今年のRedbull地域代表戦イベント)からのサポートを受けた対戦会が多数開催されたり*3、Mo-Joe,ChrisCCH,RobTVなどローカルな地域*4のプレイヤーがプレミアで日本勢を食ったり、オンラインやEvoで好成績を収めることもたびたびあった。さらにはLCQでDankadillasが2位となり、地域対戦会WNFで鍛えた実力を見せたと言える。
その中で特筆すべきはToi(GolBoiToi)ベガで、S1からの地域強豪だったToiは今年テキサス周辺のチームGGEAに所属。GGEA関連の対戦会参加や大会参加のサポートを受けつつ*5各種大会で活躍した。

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Toiは地域勢にとって重要なオンライン大会2回でどちらも2位、Evoでは17位*6、などでGP,地域Pともに北米勢内の上位の位置をキープし続けた。最終戦までCC出場の可能性がありオープン部分で5位と健闘したが、CJTruthの優勝、ギリギリの順位変動、決勝での自力優勝もできずでCC出場はかなわなかった。GGEAのサポートはシーズン後半で終了したとのことだが、来年の活躍にも期待したい。
ToiがSummerJamでDuを倒して2位になった時のハイライト。

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北米オープンプレミアでもNuckleDuを倒し5位。

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「来年は果たして」
北米FGC的には今年は若干停滞した部分はあったものの、地域対戦会の拡大、地域強豪の活躍、そして中・大規模大会のさらなる成長が見られた1年だった。
特にCEOとComboBreakerの成長は著しく、もはやEvoに匹敵するのではないかと思えるほどのイベントになりつつある(ちなみに2019年のComboBreakerはエントリー4000人越えでちょっと運営が心配するほどだそう)。またSoCalのアレおじが関わるesportsArenaがNorCal・ラスベガスにもできてそれぞれ対戦会・大会が行われるといった新展開もあった。
来年は北米勢がそれら成長を大会結果という形にして手にすることができるのか、注目である。

 

せっかくなのでupset集。

Neon。開幕戦・地元FinalRoundでのTop8決定

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RobTV。地元に近いCBでの下剋上

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TheCoolKid。EvoTop8の瞬間。まっさきに駆け寄ってるのが↑のRobTV(地元が近い)。XianはCCにピークを持ってきてお見事だったがアビに苦しむ1年となってしまった。

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*1:ここに関しては去年のPunkを例外とするなら十分良い結果ともいえる

*2:この例で最も顕著なのは2015・2017でCC出場して実績・知名度ともにある801Striderで、2016年度以外はほぼスポンサーがない状態で各種大会に参加している。ちなみにCPT認定大会がないユタ州が地元なので毎回遠征である。

*3:決勝大会がただの個人戦*3になってしまい少々物足りなかったが…

*4:3人ともプレミア大会や大規模対戦会のある地域には遠征が必要

*5:とはいえ長距離遠征は少なく、Evo,CB,SCR,あと東のランキングに2度ほどしかない

*6:ちなみに上位陣への下剋上は起こせず配信台でウメハラに負けて終了