元記事はこれ。
様々な反応がありましたが、個人的にこの内容はよい部分と悪い部分が混在していて、特に「ブログ記事の書き方としてまずい」部分がいくつかあると感じました。
FGCウオッチャーでありインターネットのブログブームを通り過ぎた者として感想を書いていきます。
・タイトルに引きずられすぎでは
正直なところいうとここが最も感じました。Armsとスマ4の大会を熟知している視点から書かれた実体験の部分はともかく、Twitterの書き込みひとつから一足飛びに「メディアが悪い」→「プレイヤーのためではない」となると「インターネットによくある書き捨ていちゃもんムーブ」と大して差がありません。挙げられている内容は起こったことそのものは事実ではありますが、「メディアのため」というタイトルをもってきてそれに全部くっ付けるには、根拠が弱い、解釈が違うものが多いと感じました。「いちゃもん」的な反応をしている人はそこの書き方に関して反応していると思います。
また、そういった一足飛びなムーブがインターネットに溢れていてめんどくさい…ということはあばだんごさん視点からは「知っとるわ」といった感じでしょうから、なおさら自重して欲しかったと思います。
余談ですが、ブログ周辺で「タイトルは釣り」という言い方があります。これは煽情的なタイトル・中身はむちゃくちゃでとにかくアクセスを稼ぐブログ群(ゲーム方面だとゲハブログがそう)を皮肉って言われる表現ですが、タイトルでブチ上げて耳目を引いておいて「タイトルは釣りです」と断ってからしっかりと切り分けて中身を書く人もいます。ブログを書いていく人として願わくば後者のようになっていって欲しいと思います。*1
・細かい事
配信における「広告的カットイン」に関しては、「大会配信中にはさまる広告手法」としてはかなり穏当なもので、他の大会でもよく用いられ、認められている手法だと認識しています(レッドブル主催大会などに顕著だと思います)。なのでメディアや企業の有無ではなく「カットインの設定秒数、カメラのスイッチングが下手だった」とするべきでしょう。
試合の巻き戻し、再試合に関しては「あってはならないこと」ではありますが、本家EVO特に大規模化した2016ではいくつか発生していたと記憶しています。大規模がゆえのスタッフとプレイヤーのコミュニケーション不全が原因なことも多く(あと言語の壁)、これをすべてメディアの介入を原因とするのは乱暴に思えます。ちなみに引用されているGamerBeeの発言をやってしまったのは2D格ゲー運営で現役の有名な方です。
・もっと言ってほしいところ
スマ4のトッププレイヤーとして「壇上でのスマ4の扱い」に関してはバンバン言って欲しいし、今回の記事でのその部分は全面的に支持します。個人的な感覚としては今回のEVOJPで「比較的ワリを食った種目」がスマ4だと思うのでそこを主張してもいいのかなと思います(本家EVO2016でもそうだったし)。
会場や日程はもちろん大人の事情で難しいところではありますが、今回のEVOJPはDay2とDay3の色々な意味での「隙間」が多い大会であったことは事実なので、それをもろにうけたスマ4は「よくなかった」という権利があると感じます。
・メディア・企業に関して
メディア・企業の介入が無い方がよい、という気持ちは自分も持っていますし、正直なところメディアが全面に出たDay3よりもDay2の方が個人的には好きな部分もあります。
ですが、すべて拒否するのではなく上手に取り込んでいくのが今現在の流れで、目指すべきところではないかなと感じます。事実本家EVOではその「うまい取り込み方」を模索している真っ最中ですし、スマブラ西海岸の中心である2GGが属するEsportsArena(スト系のLevelUpもここです)周辺のコミュニティでは数年前から日清のスポンサードによる大会がたびたび開催されています*2し、スト系のLevelUpでは新興の配信サービスとの連携を幾度か行っています。
そういった北米での背景を踏まえたうえで、大会におけるメディア・企業のことを論じていくべきかなと思います。あばだんごさんは知りえる立場にいるはず、という期待もあります。
・最後に
無責任な書き方になりますが、あばだんごさんはTwitterによくいる半端な知識でやたらと強い論調で語ったり思わせぶりなことをいって実質中身のない人々…とはまた違った内容のことが書ける立場にいると思っているので、そういうことの書き手としてビッグになっていただきたいと思っています。