setofuumiのblog

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CPTプレイバック2018 番外編「あれってどうなの?」

今年大会であった「どうなの?」っていうところいろいろ

「GFリセットしたらどうなの?」
事例紹介。

番組的な構成の「E-League 2018」ではときど-Smugでリセット。5分のインターバルがあった。
ELEAGUE TVのELEAGUE Street Fighter V Invitational 2018 Playoffs begin at 3pm ET Friday, July 13th. をwww.twitch.tvから視聴する

これと対比されるのが2017年のEvo_GF、ときど-Punkでは30秒で開始している。「ここでインターバルを置けば…」という意見も見られた。

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CPTではないが2018年Evo_DBFZ_GF、GO1-SonicFoxでは「サイドスイッチ」を要求。説明不要なほど話題になった*1が、これはルール上適切な要求で、「対戦相手の同意がない場合は公平に決める」となり(おそらくコイントスで)SonicFox側の要求が通った、とのこと。ただそのやり取りに3分以上かかってしまったのはGO1側には不運であった。

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古いが2016年SFVのケン使いJulioによって話題になった「ライフライン:テレフォン」も議論を呼んだ。
levelupliveのTXS16 Street Fighter V Top 8をwww.twitch.tvから視聴する

今年のCC_LCQではDankadillasがリセット後立ち上がり観客側のWNFの仲間たちのもとへ行きハグする場面があったが、コメント・運営ともに「No Coaching!」ということですぐに引きはがされ席に戻っていった。個人的には非常に素晴らしい場面。(プレイバック_Dankadillas参照)

 

「リセット前」と「リセット後」は別試合(試合というのがあれなら別セット)…と理屈ではそうなっている。W側がL側の立場になる…以外引き継ぐ要素は何もないわけだし、やはり別セットは別セットではある。であればこそSonicFoxの「サイドスイッチ」は通ったわけで、Eleagueのようにインターバルを置くのも別に間違いではないだろう。
とはいえリセットの興奮をブツ切りにするのは絵的にもったいないし過剰なインターバルは「流れ」を持っている側に不利なのは間違いないところではあるし*2、「壇上でのコーチング禁止」はここ数年きちんと整備されてきたことでもあるので、席を立てる立てない、リスタート時の設定、リスタートするまでの時間制限といったルールの整備の問題になっていくだろう。(インターバル時間制限はGFリセット以外にもありえる状況なのでルールとして整備されており実際運営がアピールすることもあった。2015年Evo_SF4壇上など)


「観客との距離ってどうなの?Part2」
前に書いたのはこれ
http://setofuumi.hatenablog.com/entry/2017/06/02/193535
今年のEvoでもCoolkid,CabaのTop8決定(各プレイバック参照)、そしてProblemX優勝時の欧州WSO勢、ComboBreakerのNLプレミア初優勝での韓国勢、と色々あったし、どれも良いシーンであった。

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今年のEvoは何かとセキュリティが話題になった。実際予選会場のCoolkidの際は肩を叩く程度で押し返されていた。Cabaの方は自分から行っちゃってる。またProblemXのところはおそらく「関係者」だけが最前列(立ち見)に案内されていたようだったので、そこらへんは折り込み済みだったのであろう(それでも数人止められてたっぽいが)。
Evoに関しては今年は客席から遠いリング状から劇場型に変更、(おそらく)関係者の前列誘導になり、割とうまくやったんだな、と個人的には思った。
またこれらによって不便なことも発生しただろうが、全ては目立つ壇上プレイヤーの安全を確保するためである、というのは押さえてほしいところ。


「オンライン区分ってどうなの?」
・自分がたびたび主張している「欧州の区分け」

https://pbs.twimg.com/media/C-T5NC2W0AMbFLE.jpg


欧州格ゲー主要国は全て西側で、東はロシア、フィンランドくらいしかない、という区分け。
これが今年も継続され、東部オンラインからの決勝進出は1枠にとどまったが展開次第では2枠もあり得た。何らかの理由があってこうなっているのだろうが、もうちょっとどうにかならないのだろうか…と思っている。
これはアジアにも言えて、プレイバックで少し触れたが東南アジアはXian以外はローカルプレイヤーなところはある(あとオーストラリアが回線事情的に参加困難なのとか)。Chuanのようなプレイヤーにチャンスが与えられることはまったく悪いことではないが、東アジアの激戦ぶりと比較すると是正の余地はある。
ここらへんはオンラインをランキングと同等にするのはどうなんだ、オンラインでいくらでもチャンスがあった方がいい、など色んな立場があるので統一された意見と言うのは望むべくもないが、うまくやっていってもらいたいところである。

・Toiのところで書こうとしていたこと
余談。ToiがオンラインGFで負けたのはFlashとNephew。Flashは強いが神出鬼没で気が向いたときしか大会に出てこない(昨年はドタキャンも多かった)お騒がせ男で、Nephewはなんと本来東西区分で出場できないはずの東側のプレイヤー(*後述)。つまりどちらも「少し歯車が違えば存在しなかった」はずの2人に負けてしまったことになる。よくよく運がないといえる。負けは負けだが。

*Nephewの越境について
居住地の都合による特別措置で出させてもらったっぽい。実際この時期は西側のNA北西部に居住しており、さらに年度後半に東側に戻ってからは東オンには1度だけの出場で合計2回ということになった。なお「オンラインの2地域分け・2回出場」というのは「4大地域分けによるリージョナルポイント区分」ほどにはそこまで厳格に決まっておらず、4大リージョンの各オンライン運営とそれらの統括のアレおじの裁量によるところが大きいと思われる。似たケースは中国からのオン参加は本来認められていないが香港から参加が通った事例か。

こんなことがあった。書いたようにこれらオンライン区分は運営の裁量なところが多いようで、それ自体は悪いことではないと思う(そもそもオンもオフも大会運営するのはカプコンではないわけだし)。
ただまあ格差が激しい欧州・アジアで「1か月だけ在住」みたいなことはできなくはないので、やる人がいるのか…?といった感じ(3回4回出場は明らかにダメだろうが)


「CPTってどうなの?」
ジャスティンが色々いってた
https://www.eventhubs.com/news/2018/dec/19/i-travel-too-much-last-three-years-capcom-pro-tour-have-been-hell-justin-wong-explains-how-hes-taking-things-bit-easier-2019/
https://www.eventhubs.com/news/2018/dec/28/online-events-granting-same-point-totals-ranking-events-both-disrespectful-and-trash-justin-wong-shares-his-capcom-pro-tour-pros-and-cons/
多岐に及ぶので頑張って各自読んでください

自分の主張としては何度も言っているが「大会を開くのはカプコンではない」というのがまず一点で、CPTとは全然関係なく「大会」は独自に開催されているし発展しているものはしている(特にCEO,ComboBreakerの超大規模化が目立つ)。
またそれらは多種目であるのも特徴で、それぞれのゲームがそれぞれの盛り上がり方をして大会そのものが拡大していくので、それがどんどん進んでいけばいいと思う(であればこそマルチに出場する人には価値があるし、価値が上がっていくべきだと感じる)。

CPTの構造の話だとS1地域枠「2」が個人的評価高いんだけどあれ面倒くさくてむちゃくちゃ不評だったのでだめだよね…ってのと、今年の地域決勝切符繰り下げはまあ妥当な感じになったのでは、と思った。今年変わったプレミアとEvoの重みづけも妥当だと思う(個人的にはプレミアTop3さらに上げでもいいと感じるが)
現状を大きく変えるのならば今の地域決勝へのCircuitのようなものをオンライン含めて小規模化して段階を踏ませる…みたいなことになると思うのだが、それと「各地で大会が開催されている」という状況とのバッティングがすごいので大会を尊重する現在のスタイルをやめてまでやることではないのでは、といった感じ。
あと日本で複数のプレミアを受け入れる大会主体がまだないのはもうしょうがねえのかなあ、というところ(今年結局TGSのっかりに戻ってしまった)(アジア大会をかたっぱしからプレミア化して東アジア優遇ははっきりいって行くところまで行っているので後は大会が増えるしかない)(アジアでなんかやる場合ZhiとかcameramanとかjiyunaのBeastApac頼りなところもあり)。まあでも「ためにする」大会が増えてもしょうがないところはあるので、普通に大会が増えればいいですねといった感じ。

*1:エモートでよく使われるGO1さんの顔はだいたいここ

*2:実際大きくインターバルの空いた3例は全て元W側が盛り返している

CPTプレイバック2018 part7「ガチくん・板ザン、東南アジアOnline、FrostyFaustings」

今年はまとまらなかったので色々ごちゃまぜ。

ガチくんと板ザン
CC決勝の組み合わせ、これ実は今年の序盤の「闘会議SP」と全く同じであった。
https://kakuge-checker.com/topic/view/05661/
https://www.twitch.tv/videos/227535555
WSF ガチくん 3-2 板ザン
GF  ガチくん 2-3 板ザン
GFR ガチくん 0-3 板ザン
この結果で板ザンは優勝。
CCでは
WQF ガチくん 3-0 板ザン
GF  ガチくん 0-3 板ザン
GFR ガチくん 3-1 板ザン
という結果。最後3-0なら11-11に収束したが板ザンが1本粘った格好になった。
3.0がアビラシと叫ばれ闘会議の結果となり、3.5になり大きく変わった中で再び同じ結果に戻ってくるというのは因果なものがあり、かつプレイヤー自身のパワーを現す結果になったと言えるのではないだろうか。


アジアオンライン・東南アジア
あるいはChuanの300P。
オンライン・東南アジアは「Xianが出るのか?誰が勝てるのか?」というのがポイントになってきた。ところが今年はどちらも4時代からの強豪マレーシアガイルことChuanが優勝となった。Chuanはこの実績などからシーズン途中から「AtlusBear」に加入した。
Xianは1回目だけに出場したがフィリピンDON豪鬼とアンドネシアのAronManung是空(本来はナッシュ)に負けてしまった。どちらもその国での大会なら最上位のプレイヤー。
こうして獲得した300PでChuanはGP.RPともにいい位置にいたが、GPの方はもう一つ稼げず、アジアFinalで意地の1勝をあげるにとどまった。
Xianの負けはちょっと不運なところもあったのだが、Xianに追いつこうというプレイヤーも存在するわけで、これら東南アジアプレイヤーが大型大会で活躍するところも見てみたいところである。
https://smash.gg/tournament/capcom-pro-tour-online-2018-southeast-asia-1/events/street-fighter-v-arcade-edition/overview
https://smash.gg/tournament/capcom-pro-tour-online-2018-southeast-asia-2/events/street-fighter-v-arcade-edition/overview

 

FrostyFaustings 2018
https://smash.gg/tournament/frosty-faustings-x/events
FrostyFaustingsは1月にシカゴで行われている大規模大会。主催者は日本滞在経験もあるGG勢強豪ElvenShadow。

ElvenShadow:Frosty Faustingsと日本


北米では珍しいアークメインの大会。SFVもなんだかんだで参加者が多く、「シーズン変わりたて」の大会として面白みがあるところである。
今年はPunk,ChrisG,シカゴ周辺の地域強豪など240名参加、そんな中今年優勝したのはシカゴの隣の隣ミネソタ勢のMo-Joeミカ。

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既に日本勢(ふーど含む)を喰ったこともある強豪だったがここでタイトル獲得となった。今年は地元ミネソタでのRedbull_Conquest予選も優勝。EvoもInfilを倒しての17位と素晴らしいパフォーマンスであった。またこの優勝の際にはV2の椅子を選択、研究熱心なところもうかがえる(今シーズンたびたび使っていた、はず。)。
あとスクショ撮ったのがバズった(これ言いたいだけ)

 

ちなみにFrostyFaustingsは来年はなんとなんとエントリー1000人越え。アークWT認定大会でもある。もちろんシカゴ名物「ChicagosMysteryTournament」*1も開催。CPTだとかWT認定とか置いといて非常におすすめの大会である。今年のSmashGGはこちら
https://smash.gg/tournament/frosty-faustings-xi

 

*1:1回戦ごとにランダムなゲームを抽選で決定していく大会。抽選ボックスには対戦ゲームであればなんでも入っているため格ゲーとは限らない。超マイナーなもの、過去の名作、アングラ同人ゲーなどなんでもあり

CPTプレイバック2018 part6「Dankadillas・SoCal・WNF」

Dankadillasダルシムのことから紹介すると、SoCalの定期対戦会WNF常連上位の若いプレイヤー。昨年はじめ、大会でJwongを倒したことで注目された。
levelupliveのWest Coast Warzone 6: Day 2をwww.twitch.tvから視聴する
https://kakuge-checker.com/topic/view/04976/
https://challonge.com/ja/SFV_Blue_3_WCW6

2017はそれ以降はサブのユリアンを使ったりもありつつ「WNFでC.Jesseの次に強いダルシム」の位置にいた。
2018になってからはそれが「WNFのGFはC.Jesseかdankadillasどちらか(あるいは両方でダルシムミラー)」という状況になるまでに成長。

その成長が結実したのが6月のRednull企画の地域予選「RedbullConquest_LosAngels」だった。
redbullesportsのRed Bull Conquest - Los Angeles Regional Finalをwww.twitch.tvから視聴する
キャラも、いつもの対戦経験も分が悪いJBラシード(去年まで東側で活動、今年はWNFの地域に移住)とのWFを2-3で落としたDankadillasは、LFでこちらもこの地域強豪のPnoyベガに3-2、GFふたたびJBラシードに3-2,3-2と接戦3連勝でこの大会を優勝。全米1の激戦区SoCal地域代表となった。
https://smash.gg/tournament/red-bull-conquest-qualifier-los-angeles-1/events/street-fighter-v-arcade-edition-singles/overview


そして9月、地元SoCalでのプレミア大会「SoCal Regionals 2018」ではマゴさんへのDoubleJeopardyを含む活躍で9位の結果。ちなみに最後はWNFで負けることが多いChrisTにそのまま負けてしまい終了した。地元大会で成長した若者が世界ランクのプレイヤーを倒しまくり壇上に届きそうなところで「いつもの人」に「いつものように」負けてしまう…というのもドラマチックであった。

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この大会は地元SoCal勢の活躍が目立った(あとお隣NorCalのsamuraiも)。カリフォルニアのレベルの高さを見せつける結果になったと言えるだろう。
https://smash.gg/tournament/socal-regionals-2018/events/street-fighter-v-arcade-edition-capcom-pro-tour-2018-premier/standings
3位 ChrisT SoCal_WNF
5位 Samurai NorCal
9位 Dankadillas SoCal_WNF マゴ・ボム・Shineに勝利

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13位 CommanderJesse SoCal_WNF ふーどに勝利

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17位 Pnoy SoCal ガチくん・もけに勝利

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ちなみにSCR2018といえばPunkのこれ

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そして迎えたCC_LCQ。
https://smash.gg/tournament/capcom-cup-2018-sfvae-last-chance-qualifier/events/capcom-cup-2018-sfvae-last-chance-qualifier/standings
DankadillasはAziz、りゅうせい、Smug、なりくん、Flaquito、ジョン竹内を下してなんとW側としてGFへ。苦手かと思われたラシードのジョンに3-0は度肝を抜いたが、これにはJBラシードとの1年通しての対戦の効果もあっただろう。
そしてL側から上がってきたPunkの送り込んだ刺客ZJZによって逆転されてしまったのは皆さんご存知の通りである。
なおリセットがかかり観客側へ向かった先にはアレおじ(ブランカは彼から学んだのであろう)、SoCal,WNFの仲間たち(クリスT,Jesse,Pnoyなど)やダルシム使いSabinの姿があった。個人的に今年のベストシーン。

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今年のSoCal地域WNFには東NYからJBラシード、中西部シカゴからはMiraいぶきが移住・参加しさらに激しさを増し、北米随一の対戦会規模、そしてレベルになったのは間違いないだろう。とはいえ現在のWNF常連メンバーは西海岸のプレミア大会で下剋上を起こすところまではいくが、いまだにグローバルな有名プレイヤーというところまでは行っていない。今後さらなる飛躍があるのか?そしてそれは誰になるのか?注目していきたい。

 

CPTプレイバック2018 part5「ドミニカ・Tigers」

昨年のMenaRD優勝から何かと注目されたドミニカ勢周辺のいろいろ

「GameOverTournament」
https://smash.gg/tournament/game-over-tournament-1/events
https://www.youtube.com/watch?v=byKgj6blFj8
4月に行われたドミニカ大会。CPTではランキング。ウルチェンコンビが来てたり演出が派手だったりで、昨年のMenaRD優勝によって力が入っていたのがうかがえる。Jwong,K-Brad,Brolynho,DoomSnakeなどもいたがGFはChrisTとCaba。
ドミニカ大会は実は2016年以来「他地域遠征からの防衛」を成し遂げていた。*13年連続の防衛なるか?といったところだったが、ここをChrisTが0-2リセット寸前からまくって逆転優勝。ついに防衛を打ち破ることになったのであった。
ちなみにTop8入場演出の写真がある。ChrisTがお前誰だって感じに。

 

「TexasShowdown 2018」
https://smash.gg/tournament/texas-showdown-2018
TexasShowdownは5月に行われたテキサスでの定番大会。CPTではランキング。北米勢だけでなくドミニカ勢、ProblemXが遠征参加した。
W側を勝ち上がったMenaRDとL側を駆け上がったNuckleDuのGF。
これがCCチャンプ同士のアメリカvsドミニカということで大応援合戦に*2

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怒涛のリセットコールを跳ね返してMenaRDの優勝。存分にパフォーマンスを見せつけるのであった。

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チーム戦(Defend the North,Titans of Deitona)
今年はMenaRDのチームこと「SantoDomingo Tigers」と北米地域との5on対抗戦もあった。チームNYはなんとCabaが5タテ。一瞬で終わってしまった。
SouthEastはアトランタ周辺5人で、こちらは星取り方式。大将NeonがMenaRDを倒してトータル勝利セット数では上回ったもののスコアは3-2ドミニカとなりドミニカが勝利した。

https://smash.gg/tournament/defend-the-north-2018/events
https://www.youtube.com/watch?v=FtkmEUz-Ssc

https://pbs.twimg.com/media/DhxB74YUwAE1fyT.jpg


瀬戸記事
http://setofuumi.hatenablog.com/entry/2018/07/23/222250


https://smash.gg/tournament/titans-at-daytona-1/events
https://www.youtube.com/watch?v=pVsGA9BgNGw

https://pbs.twimg.com/media/Do2_7_vXkAIqnVp.jpg


瀬戸記事
http://setofuumi.hatenablog.com/entry/2018/10/10/122723


今年のドミニカ
昨年のMenaRDのサクセスからどうなるかが注目されたドミニカ勢だったが、今年は序盤にCabaの騒動、地元防衛失敗ともうひとつなスタート。5月にMenaRDが北米優勝したがプレミア壇上は行けず、といった感じであった。
ところがEvoはMenaRD9位、そしてCabaがTop8壇上を達成。

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勝負強さを見せた。
そしてMenaRD,Cabaはなんと日本滞在からのアジア遠征を敢行、Cabaがアジアプレミアで2度Top8(台湾3位、香港7位)となり、アジア地域でも通用することを証明。CC本戦ではあと一歩のところで板ザンに敗退。9位で終了した。
ビッグタイトルこそなかったものの、昨年の強さが偶然ではないという強さを見せたと言っていいだろう。

*1:S1_CrossOver,S2_MenaRD,なおこのあとの10月ドミニカ大会はMenaRD。

*2:もちろん一月前のNCRでCabaが騒動を起こしていたのも影響があっただろう

CPTプレイバック2018 part4「アジアでの新しい動き」

世界上位の強豪だらけのアジア地域ながら活躍したプレイヤーは結構いた。

「台湾・ZJZ」
なにはなくとも今年は台湾のZJZさんことウエコショウさんことGxBridgetさんであろう。

曾家鎮 | 格ゲープレイヤーWiki

KOF14の国際的な大会が増えるにしたがって活躍の場を広げてきたZJZだが、sfvに関しては少なくとも今年の半ばまでは「たしなむ程度」だったと思われる。8月のEvo、これも8月の地元台湾プレミアでは出場はしたが好結果ではない。(キャラはコーリン?)
そして迎えた9月の日本TGSプレミア、毎回強豪が早々に姿を消すこの大会でZJZはメナトを操りなんとTop8入りをしてしまう。
https://smash.gg/tournament/capcom-pro-tour-japan-premier/event/capcom-pro-tour-japan-premier/entrant/1916949
そして10月のSEAMではEvo制覇しアジアに乗り込んだProblemXをプールで2度破っての9位。
https://beastapac.challonge.com/ja/SEAMSFVOPP7
さらにさらに突如PunkのサポートによってLCQにエントリー。昨年LCQ枠のネモにやられた意趣返しだとかLCQ枠が近いProblemXが困るだとか色々言われたが、結果はものの見事に優勝。CC本戦に出場となった(本線結果は負け負けで25位)。画像はスポンサー主Punkと勝利報告。

https://pbs.twimg.com/media/DubPL9JVAAAmhkP.jpg

繰り返すが「8月までは」特筆するところのない結果だったのが9月からの4か月でこれほどの結果を叩き出してしまった。KOFの王のポテンシャル、今季のメナトの伸びしろを感じさせたが、それに加えて「台湾のローカル対戦で仕上がった」という点もあるだろう。台湾では毎週の激しいオン大会やローカルイベントがあり、そこでZJZは8月後半以降はほとんど勝ちっぱなしの好成績だった模様。
らいぷーさんがチェックしてたやつでその様子がうかがえる
https://twitter.com/search?f=tweets&vertical=default&q=%40Re_licenseplate%20ZJZ&src=typd

 台湾勢はもとからシャオバオ,YORO,Tamsui(淡水人),Kagami,YoYoTai,台湾大門といった面子が石油王と並ぶレベルの実力でしのぎを削っており、Evoやアジア圏の大会で下剋上することもよく見られた。その中でトップレベルにまで仕上げたZJZが活躍をするのはある意味必然であったのかもしれない。
本来のKOFの活動もあって来年はどうなるのか全く分からないが、来年の動向が最も注目されるプレイヤーである。

「中国」
シャオハイ以外は謎が多かった中国勢だが、今年はそれ以外のプレイヤーも活躍が結果としてあらわれることになった。
S1から活躍していたUDは日本勢も多かったマレーシア大会で2位、ほか入賞5度。
9月中国プレミアでは日本・アジア上位陣が多数参加する中、HuangYangMian/黄洋面(是空)、PITHEAD/坑头仔(ファン)の2人がTop8、7位となった*1

中国『スト5』CPTプレミア大会「Final Fighters China」結果

そして激戦の日本TGSプレミアではQiuQiuが9位。あわやTop8壇上といったところまで進んだが、W側で負けた日本TrashBoxに再び敗北。TrashBoxはこれまでの日本プレミアで続いていた日本ローカル勢によるTop8進出を守った。
https://smash.gg/tournament/capcom-pro-tour-japan-premier/event/capcom-pro-tour-japan-premier/entrant/1947797
ちなみにQiuQiuは昨年中国ローカルに招待されたネモをユリアンミラーで完封勝利したプレイヤー

中国 スト5大会「FFC终极格斗冠军联赛 北京站」結果

中国は様々な事情で謎の多い地域だったが、だんだんと「シャオハイだけではない」様相を呈しつつある。来年どうなるか全くわからない。


シンガポール
Xianの国シンガポールだが、今年は「Xianの弟子」Braveryが華々しいデビューを飾った。

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地元SEAMオープンに参加。HumanBomb,OilKingと倒しさらには師匠のXianを越えてしまう。結果はXianに勝ってのW8進出だったがその後負け負けの9位。日本プレミアにはエントリーの問題?で参加できなかったようだが、これからの成長が恐ろしいプレイヤーである。

「オーストラリア」
SF4時代は名物大会ShadowlooShowdown周辺に存在感があったもののここ数年はあまり目立たなかった豪州だが、今年はバーディ使いのROFが気を吐いた。
https://smash.gg/tournament/capcom-pro-tour-japan-premier/event/capcom-pro-tour-japan-premier/entrant/2075776
なんと日本プレミアのプール初戦(!)でシード扱いのsakoに勝利してしまう

そのまま日本勢を倒しプールをW側で抜け、33位に入賞した。
SEAMオープンでもときどに対して1R先取してあわやだった

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このROFというプレイヤー、実は豪州で今年から始まった「Gfinity_AU
https://www.gfinityesports.com.au/
参加チーム「Melbourne_Order」のメンバー。そしてこのチームなんと6-7月のS1,11-12月のS2*2を連覇し、その立役者がROFだったという*3

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欧州のGfinityに続いてこちらも地域全体がレベルアップしていくのかもしれない…。

*1:完全抽選トナメ・PC版での開催でかなりトラブったが、強豪との決定戦を勝ち抜けてTop8入りしたのは事実である

*2:間の期間はChallenger=新規参入プレイヤーの対戦・ドラフト期間だそう

*3:ぶっちゃけ6月の時点ではSomniac,BKsamaのベテランチームが圧勝すると思っていた。びっくりである

CPTプレイバック2018 part3「ラテン地域・ブラジルプレミア」

今年は2015年以来となるラテン地域・ブラジルプレミアが開催された。
ラテン地域全体に関しては今年書いた。(この紹介の「ドミニカvsブラジル」は結局CrossOverのみの参加で100%は実現しなかったが)

なぜ今年のラテン(中南米)CPTは面白いのか - setofuumiのblog

ブラジルプレミア感想

ラテン決勝(ブラジルプレミア)感想 - setofuumiのblog


・ブラジルプレミア

https://kakuge-checker.com/topic/view/06186/
↑に書いたものとかぶるが、結果としてはオープンプレミアは1位2位は日本遠征勢のハイタニ・マゴ。3位ブラジルのZenithメナトが1回戦負けからのルーザーズランで3位へ(日本勢とは当たらず)、4位パナマのDoomSnakeバルログがストーム久保、板ザンのアビ2体に連勝、HKdashはストーム久保に勝利、などがあった。
Zenith,HKdashは前日対戦会で板ザンに勝利している
https://challonge.com/ja/tuq10

あとブラジルプレミア直前配信で瀬戸と白水さんが「注目プレイヤー」第1位を挙げた瞬間

clips.twitch.tv

板ザンを倒すDoomSnake。タフな試合を繰り返しさらに加えて地域決勝でも3先・4試合を行った。この人のパワーはどこから湧いてくるのか(結構なベテランらしい)。

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そして地域決勝。半数を占めた地元ブラジル勢はなんと4位までで全滅。ドミニカCrossOver豪鬼が優勝し、一発切符を獲得することになる。(そして辞退により権利は2位Pikoroへ)

・「DoomSnakeとPikoro」
LFでフルセットを戦ったこの2人は今年ペルー大会(Pikoro地元。DoomSnakeだけでなくドミニカCrossOver,ブラジル上位も遠征していた)のGFで対戦しており、これもまた熱戦であった(W側3-2,GF3-0でPikoro勝利)。

ペルー「Lima Salty 2018」『スト5』カプコンプロツアー中南米地区ランキング大会

 TheBackyardPERUのLima Salty 2018 - SFV:AE - Top 8をwww.twitch.tvから視聴する


地域決勝でもフルセットの熱戦。地元優勝の時同様に吠えてからのハグであった

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地元ペルー大会で優勝したおかげでPikoroはラテン決勝招待権利を獲得、地域決勝でもDoomSnakeを破り結果的にCC出場、大本命の藤村をあわやというところまで追い詰めて見せた。
DoomSnakeの今年の活躍と合わせて、ラテン地域はドミニカ・ブラジルだけではないことを証明したと言えるだろう。
そしてこの2人*1のライバル関係は来年も続くのだろうか?


・まとめ
ラテン決勝+オープンプレミアは開催の都合上か、128名制限・1Dayで行われた。これはさすがに詰め込みすぎたのか、地元ブラジルのエースBrolynhoもさすがに「次は良くなるといいね」といったコメントをしていた。ともあれ2015年以来のラテン地域オープンプレミアが無事開催されたことはラテン地域にとって大きい意味があるだろう。

ブラジル勢にとってはCC始まって以来の出場者ゼロという結果になったが、それも今までのBrolynho一強の状況が変わった(つまり全体がレベルアップして戦国時代化した)ということでもあり、オープンプレミア開催、ドミニカ勢が今年も結果を残したことと合わせてラテン地域は着実にステップアップしていると言える。来季の展開にも期待したい。

*1:余談だが日本人視点だと見た目がめっちゃ似てるので判別がつきにくい

CPTプレイバック2018 part2「北米の停滞と成長」

「停滞」
今年のNA=北米勢は結果だけからすると苦しんだ1年だったように思う。
大規模な調整、異例の4月での3.0→3.5変更もあり、期待のPunkは低調、S2で活躍したがNerfを受けたキャラのプレイヤーはそれを覆せず、といった状況が続いた。NuckleDuはキャミイを手駒に加え安定した成績なもののプレミア優勝はなし、Neon,Samurai,CoolkidといったプレイヤーがTop8には入ったがそこまで、といった格好であった。*1
メナトが馴染んだJwongが後半はプレミア優勝、ChrisT・Punkの活躍はあった、そして最後の最後でCJTruthが一発切符をもぎ取ったが、同時にChrisTが圏外行き(これにより圏外1位だったToiが落選)でCC出場はプラマイゼロの5名、ということになった(過去最低人数)

北米事情にもこれには要因があり、北米の有名大型プレミアでの「グローバルな上位フルメンバー化」が年々増加していること、そして広いアメリカ全土にすべて遠征できるプレイヤーは限られる、ということ。たびたび主張しているが、いわゆる「アメリカ東西全て遠征できるフルタイムのプロ格闘ゲーマー」は北米ではそれほど成立しておらず、前述したNeon,Samurai,Coolkidらは(地元コミュニティ・チーム的なものに所属していたりはするが)そうではないただの地方勢である。EchoFoxに続く大型チーム、あるいは新興のチームの参入が期待されたが、大きな変化は起こらなかったと言える。とはいえ一部地方勢へのUYUサポート、テキサスGGEA、終盤にPunkが入ったTeamReciprocity、チームでないがRapchiとJwongの始めたESEのサポート、といった小規模なものはいくつかある。*2
また、ベテランでフルタイムでやれているRicki、ChrisG、K-BradあるいはSnakeEyes、PRBalrogといった面々が出場・結果ともにもうひとつだったのもある(瞬間最大的にさすがの強さを発揮することもあったのだが…)。

 

「成長」
プロ化・プロ勢の停滞とは反対に地域ローカルでのコミュニティ、イベントは順調に拡大しており、Redbull_Conquest(今年のRedbull地域代表戦イベント)からのサポートを受けた対戦会が多数開催されたり*3、Mo-Joe,ChrisCCH,RobTVなどローカルな地域*4のプレイヤーがプレミアで日本勢を食ったり、オンラインやEvoで好成績を収めることもたびたびあった。さらにはLCQでDankadillasが2位となり、地域対戦会WNFで鍛えた実力を見せたと言える。
その中で特筆すべきはToi(GolBoiToi)ベガで、S1からの地域強豪だったToiは今年テキサス周辺のチームGGEAに所属。GGEA関連の対戦会参加や大会参加のサポートを受けつつ*5各種大会で活躍した。

GG Esports Academy:テキサス流格闘ゲーム教育
Toiは地域勢にとって重要なオンライン大会2回でどちらも2位、Evoでは17位*6、などでGP,地域Pともに北米勢内の上位の位置をキープし続けた。最終戦までCC出場の可能性がありオープン部分で5位と健闘したが、CJTruthの優勝、ギリギリの順位変動、決勝での自力優勝もできずでCC出場はかなわなかった。GGEAのサポートはシーズン後半で終了したとのことだが、来年の活躍にも期待したい。
ToiがSummerJamでDuを倒して2位になった時のハイライト。

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北米オープンプレミアでもNuckleDuを倒し5位。

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「来年は果たして」
北米FGC的には今年は若干停滞した部分はあったものの、地域対戦会の拡大、地域強豪の活躍、そして中・大規模大会のさらなる成長が見られた1年だった。
特にCEOとComboBreakerの成長は著しく、もはやEvoに匹敵するのではないかと思えるほどのイベントになりつつある(ちなみに2019年のComboBreakerはエントリー4000人越えでちょっと運営が心配するほどだそう)。またSoCalのアレおじが関わるesportsArenaがNorCal・ラスベガスにもできてそれぞれ対戦会・大会が行われるといった新展開もあった。
来年は北米勢がそれら成長を大会結果という形にして手にすることができるのか、注目である。

 

せっかくなのでupset集。

Neon。開幕戦・地元FinalRoundでのTop8決定

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RobTV。地元に近いCBでの下剋上

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TheCoolKid。EvoTop8の瞬間。まっさきに駆け寄ってるのが↑のRobTV(地元が近い)。XianはCCにピークを持ってきてお見事だったがアビに苦しむ1年となってしまった。

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*1:ここに関しては去年のPunkを例外とするなら十分良い結果ともいえる

*2:この例で最も顕著なのは2015・2017でCC出場して実績・知名度ともにある801Striderで、2016年度以外はほぼスポンサーがない状態で各種大会に参加している。ちなみにCPT認定大会がないユタ州が地元なので毎回遠征である。

*3:決勝大会がただの個人戦*3になってしまい少々物足りなかったが…

*4:3人ともプレミア大会や大規模対戦会のある地域には遠征が必要

*5:とはいえ長距離遠征は少なく、Evo,CB,SCR,あと東のランキングに2度ほどしかない

*6:ちなみに上位陣への下剋上は起こせず配信台でウメハラに負けて終了